for the all introverts

内向的な人を応援するブログ

TWICE ミナの不安障害に考える、ステージに立つということ

 


f:id:MORANgirl:20191117180509j:image

 

TWICEのミナをご存知だろうか。

 

TWICEは韓国のJYPという会社がプロデュースしたアイドルグループで、ミナはその日本人メンバーである。

TWICEメンバーはSIXTEENというサバイバルオーディション番組で勝ち残った実力派ぞろいで、韓国、日本、台湾の出身がいる。

 

ミナはアメリカ生まれ、兵庫県育ち、父親は医者というお嬢様で、ルックスや立ち振る舞いもメンバーの中で女性らしくおしとやかなイメージだ。

 

幼少期からバレエを習っていた彼女は踊りがしなやかで美しいのが特徴で

歌ではCメロを担当することが多い、透き通った声をしている。

 

そんな彼女が不安障害と診断され、今年のワールドツアーも含め、活動を一時休止した。

 

 

不安障害とはある特定の状況や人前でなにかするときに緊張感が高まった状態で不安や恐怖を感じてしまうこころの病気である。

 

 「お花畑でうつむく女の子」の写真[モデル:あんじゅ]

わたしはこのニュースをみて、なんとなく納得したような気がした。

なぜかというとミナはメンバーの中で大人しく、前に出て積極的にアピールするような人ではない。もともとの性格が控えめで精神的に他のメンバーよりも気にしやすい、繊細な人のような気が、彼女のテレビ番組での様子やインタビューを見て感じた取られた。

 

 

もともと彼女は兵庫のお嬢様学校に在籍しK-POP好きの普通の少女だった。

そんな彼女が母親とのショッピング中にスカウトされ、JYPのオーディションを受けた。「本当に一瞬で人生が変わるって身をもって言えます」と彼女は情熱大陸の取材時に答えていた。ミナは通っていた高校を辞めて事務所に入ったがその時点でデビューできるかどうかは分からない。両親の反対もあったことだろう。

10代の少女が自分の将来を不安に思わなかったはずがない。

それでも韓国にいって、言葉が通じない中、努力し、夢を叶えた。

 

 

練習生期間は約1年と全メンバーの中で最も短いが、SIXTEENのなかでは当然のごとく韓国語で他のメンバーとコミュニケーションを取り、デビューを勝ち取った。

練習生期間約1年でのデビューで彼女はシンデレラガールだと言われたがSIXTEENではもっと練習生期間が長い、韓国語のネイティブたちと戦って勝利を得た、努力も才能もあった人物である。

 

 

そのミナがステージを降りた。

 

 

ミナにとって、そして家族にとってこんなに悲しいことがあるのだろうか。

ステージを夢見て異国に渡ったのに、そのステージが怖くなってしまうなんて。

 

韓国の芸能界はプレッシャーがすごいという。

有名なアーティストでも自殺や自殺未遂などのニュースが相次いでいる。

 

過酷なスケジュールの中、睡眠時間も削られ、それでもファンの前では努めて笑顔でいなくてはいけない。

人気・知名度が高い芸能人は常に人の目にさらされ、あらゆるジャッジを受けるだろう。

 

アンチもいるだろうが、熱狂的な支持者もある意味ではアイドルを追い込むだろう。

 

ファンというのはすごいもので、たった一目、自分の推しのアイドルに会うために航空券を買い、何時間も出待ちをする。チケットを取るために仕事を休んで応募する。

そんなふうにしてやっと自分の好きなアイドルに会えるチャンスを得たのに、そのアイドルが当日ステージに現れなかったら悲しみも大きいだろう。

 

アイドルたちはファンに期待に応えようとして、休まず、笑顔でステージに立ち続けなくてはいけない。

 

そんなアイドルたちの苦悩を、事務所や消費者は考えているのだろうか。

 

TWICEはメンバーに韓国人、日本人、台湾人が混在しているので、ほんのささいな発言でも政治的なニュアンスに受け取られ、ヘイトコメントで埋め尽くされてしまった事例が過去にいくつか存在する。

 

どんなところから火の手が上がるかわからない。10代20代の彼女たちは発言にも細心の気を配らなくてはいけない。

 

エンターテインメントとは、表現者が自由でなくてはならないと思う。

人を楽しませるエンターテインメントが、表現者を苦しめていいのだろうか。

 

現在、ミナはPV撮影やファンミーティングなど、徐々に活動を再開し始めている。

 

ミナや、TWICEのメンバーが、彼女たちらしく、精神的にも身体的にも健康でステージで輝けるように祈るばかりだ。